付加価値ある「農業」

Nowhereman

2010年11月16日 16:07

 新十津川町にある「新十津川農業高校」。
 一昔前のイメージでは、農業高校ではどちらかというと「生産技術」の指導が中心に行われているように思っていた。

 しかし、今は、地場産品を活用した「商品開発」を生徒たちが実習で行っている。
 この「いんプリ!」。


 平成21年に開かれた「北海道愛食料理コンテスト」に当時の学生さんたちが出品したところ、サークルKサンクスの商品開発担当者の眼に止まり、商品化が進んだというもの。
 

 「さやいんげん(マメ科・インゲン属)」を用いたプリンだが、さやいんげんは、メキシコ南部が原産と言われていて、日本へは1654(承応3)年、隠元(いんげん)禅師が中国から持ち帰ったことが日本における栽培の起源とされる。
 さやの形で「丸さや」と「平さや」とに分かれるが、空知管内・新十津川(しんとつかわ)町は「丸さや」の栽培量が多いことで知られている。

 そうした地域の特産物を高校生たちが工夫して、商品化する。
 「農商工連携」を進めるに当たっては、何はともあれ「発想」が大切であり、「人材育成」が基本。
 そう考えると、この商品に対して地元の皆さんがもっと関心を持ってみることも大切なのだろう。

 ちなみに、「いんげん」のツブツブとした食感が残っているところが、微妙な美味しさ。

 もう一品。(「続きを読む」からどうぞ。) 
 こちらは「えだまめ」を使ったプリン。
 こちらはプロである有機栽培の大塚農場で作った「大塚ファームえだまめプリン」。


 先日当別町で開催された「フィールディズ・イン・ジャパン」の懇親会にて、大塚農場さんで作られた色々な野菜を用いたプリンの中から「えだまめプリン」をいただいてみた。


 こちらは、流石にプロの味。
 砂糖を使わずともに「甘さ」が際立つ。しかも、上から3層に見事に分離した製法は、驚き。
 ちなみに、大塚農場さんは、当別町の隣町である新篠津村(しんしのつむら)に位置する。

 フォーラムにおける大塚さんのお話や、大塚さんの作られる野菜を活用する「イルピーノ」の川端さんのお話など、今後の北海道農業の向かうべき一つのヒントをいただいたようなイベントであった。
 土曜日にもかかわらず、約170人もの方々が足を運ばれたそうだが、皆、有意義な話が聞けて満足であっただろうと思う。

 当別町では町長、議会議長をはじめとして多くの町民が、また、隣町である新篠津村からも村議会議員さんが熱心に話を聞きにきていた。
 何だか、こういうスイーツを食べてみると、北海道の「農業」。
 全然捨てたもんじゃなく、これからも国内のみならず、海外へもどんどんと商品の販路を拡げていくことができればと、応援したくなってしまうのであった。
 
 
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