拓かれた時間の中で

　札幌の第４藤井ビルにあった、とある「シェリーバー」。
　先日、オーナーが急逝し、店は閉店した。

　オーナーの親族にあたる知人が、店に残っていたスペイン・カタルニア産のドライサラミ「フエ・カセーロ」を、小樽にある行き付けの店に持参し、オーナーの御冥福をお祈りすることになった。

　サラミには表面に白カビが付着しているという、高級品。

　「ムータルドゥ　ア　ランシェンヌ（Moutarde a L'ancienne）」というつぶ辛子の酢漬けを添えて。

　原材料がカナダであり、香川県で製造。

　臭味がなく、口の中に白カビによって熟成された旨味が広がる。

　つぶ辛子が、味を引き締める。

　いただいたワインは「Boouchad Pere et Fils La Vignee（プシャール　ペール　エ　フィス　“ラ　ヴィニェ”　2008）」。

　Bourgogne ブルゴーニュ・ルージュでも、軽めの一本。

　人間、忙しいと病院で検査をする時間さえ、見つけることは難しい。
　しかし、自分自身の健康は、自分自身がしっかりと気にかけることが基本。

　「憎まれっ子世にはばかる」という言葉を聞くたび、自分はきっと長生きするのだろうなぁと、思わず苦笑してしまう。

　心からの御冥福をお祈りいたします。

あなたにおススメの記事