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2010年12月31日

「環境問題」を考えることにもなるワイン

 オーストラリア(Australia)。ペンフォールド(Penfolds)「KOONUNGA HILL 2008 (クヌンガヒル)」。
「環境問題」を考えることにもなるワイン
 シラーズ(Shiraz)71%、カベルネ・ソーヴィニョン(Cabernet Sauvignon)29%。
 「ずしり」と重たい。

 「クヌンガヒル」という名称は、南オーストラリア州の南東、ヴィクトリア州との州境近くにあるワイン主要産地の中にあり、「1970年代にワイン用葡萄が植えられていた畑の名前に由来する」と、どのワイン販売店のインフォメーションにも書かれている。

 2006年、2007年と記録的大旱魃に見舞われたオーストラリア。
 オーストラリアにおける一大ワイン産地である「南オーストラリア州」にあっても水不足は深刻であった。

 その一方、今現在、オーストラリア北東部の「クイーンズランド州」では、記録的な豪雨による「洪水」が発生し、洪水によってワニがあちらこちらに流されていて大変な状況にあるとのこと。恐ろしい。

 「水」の確保に関してオーストラリア政府としても対策を講じているが、世に言われるような「ワイン過剰生産」は、むしろ「水不足」に対応するために補完的な役割を果たすものであり、単純に「過剰生産」しているからオーストラリア産ワインの価格が安くなるという問題ではないのだ。
 昨日、フランス・アルザスにおける「ワイン」が果たしてきた役割について簡単に紹介したが、「ワイン」は単なる「酒」としての役割以外に様々な役割を担ってきたものなのだ。
 「薀蓄ワインレポーター」であろうとすれば、ワインにまつわる表面的な「表現」だけ解説していればよいのだろう。
 が、北海道の森林が中国人たちに買い漁られている現状の一端を直視すれば、「水資源」=「森林管理」は国民生活にとって、極めて重要な課題であることに気付くはずだろうし、また「農業」においても「水管理」は重要であり、農業用ダムの必要性、北海道においても例外ではない「渇水に対する対策」など、農業者の立場に立った「視点」を持つことがいかに重要であるかを理解することができる。

 日本の「水」は幸いにして軟水の比率が高いこと、また急峻な川の流れによって「良好な水質」であることが多いことから、これまで「飲料水」の確保に苦労はしなかったし、だからこそ「ダム」の存在や役割などを忘れて、自分自身、いつでも「当たり前に飲めたり使える水」という印象しか持ち得なかったようにも感じている。

 「地球環境」が変動期にある今日、いつ枯渇するか分からない「水」やその恵みでもある「ワイン」や「果物」に接するとき、その背景にある「事象」にまで気を回すことのできる「想像力」が、ワインの飲み手には必要なのではなかろうか。
 のどかな年末を迎えている小樽の片隅で、ワインに対する感謝の念と、来年も健やかな一年であることを祈りつつ、今年最後のブログとしましょう。

 今年一年、ご愛読ありがとうございました。
 来年の元旦(明日)は、朝7時過ぎに『WEBダカーポ』(エリアナビ)にて、皆さまへの「新年のご挨拶」をさせていただく予定です。
 それでは皆さま、ご家族揃って、よいお年をお迎えくださいませ!!

 

 

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Posted by Nowhereman at 10:41 │Vin

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