2011年01月03日
新春早々。びっくりする電話が・・・。
仕事初めの朝。
部長の自分を含めて10人のプロジェクト・チーム。
それが現在の、自分の置かれているポジション。
今年も朝一番で出勤しているのは、岩見沢から通勤している安田くん。
「部長。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。」
「うん。こちらこそ、よろしくお願いいたします。それにしても、今朝は冷えるな~。」
「そうですね。岩見沢も今朝は、冷えていましたよ。」
面白いもので、自分の住んでいる小樽、札幌、そして安田の住んでいる岩見沢の気候や気温は、毎日違っている。
札幌近郊と言ってみても、地域によって雪の降り方、冷え方は日によって全くといってよいほど、異なっている。
そうこうしているうちに、メンバー9人が揃った。
あれ、一人、出勤していない・・・。
「山根くん!真田くんから、何か連絡があったか?今日は休暇かな?」
「いえ、部長。真田からは、何も連絡はありません。どなたか連絡受けていませんか?」
真田の上司である山根は、千歳から通勤している。
札幌にオフィスを構えていると、各人の住んでいる地域の多彩さに驚くこともあるが、東京で仕事をしていて、通勤時間2時間かかることがあったことを考えれば、さほど驚くことではないのだろう。
ただ山根は、「最近不安なんですよね。もし北朝鮮と韓国の戦争が始まったら、千歳って、危険じゃないかと・・・」と、確率的には危険性が高いであろう蓋然性を、ポツリと自分にもらすことがある。
そのとき、であった。
ダイヤル・インの電話の音が室内に響き渡る。
誰もが真田からの電話だろうと想像した。
「おはようございます。オフィス・Nowhere Man、山根です。」
山根の声は、新春早々、清清しい。
「あっ、真田か?! どうした。今日一日休み延長か?今、部長と電話替わるので、このまま待っているように。
部長。真田から電話です。今電話を回します。」
山根から回された真田からの電話。
真田は、入社10年目。
うちのプロジェクト・チームでも、期待の若手の一人である。
「もしもし。真田くんか?どうした。体調でも優れないのか?」と、私は新年の挨拶もそこそこに、真田に事情を問い質した。
「何??」
(続く・・・続きは「続きを読む」にてどうぞ!!)
部長の自分を含めて10人のプロジェクト・チーム。
それが現在の、自分の置かれているポジション。
今年も朝一番で出勤しているのは、岩見沢から通勤している安田くん。
「部長。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。」
「うん。こちらこそ、よろしくお願いいたします。それにしても、今朝は冷えるな~。」
「そうですね。岩見沢も今朝は、冷えていましたよ。」
面白いもので、自分の住んでいる小樽、札幌、そして安田の住んでいる岩見沢の気候や気温は、毎日違っている。
札幌近郊と言ってみても、地域によって雪の降り方、冷え方は日によって全くといってよいほど、異なっている。
そうこうしているうちに、メンバー9人が揃った。
あれ、一人、出勤していない・・・。
「山根くん!真田くんから、何か連絡があったか?今日は休暇かな?」
「いえ、部長。真田からは、何も連絡はありません。どなたか連絡受けていませんか?」
真田の上司である山根は、千歳から通勤している。
札幌にオフィスを構えていると、各人の住んでいる地域の多彩さに驚くこともあるが、東京で仕事をしていて、通勤時間2時間かかることがあったことを考えれば、さほど驚くことではないのだろう。
ただ山根は、「最近不安なんですよね。もし北朝鮮と韓国の戦争が始まったら、千歳って、危険じゃないかと・・・」と、確率的には危険性が高いであろう蓋然性を、ポツリと自分にもらすことがある。
そのとき、であった。
ダイヤル・インの電話の音が室内に響き渡る。
誰もが真田からの電話だろうと想像した。
「おはようございます。オフィス・Nowhere Man、山根です。」
山根の声は、新春早々、清清しい。
「あっ、真田か?! どうした。今日一日休み延長か?今、部長と電話替わるので、このまま待っているように。
部長。真田から電話です。今電話を回します。」
山根から回された真田からの電話。
真田は、入社10年目。
うちのプロジェクト・チームでも、期待の若手の一人である。
「もしもし。真田くんか?どうした。体調でも優れないのか?」と、私は新年の挨拶もそこそこに、真田に事情を問い質した。
「何??」
(続く・・・続きは「続きを読む」にてどうぞ!!)
真田からの電話の内容は、こういうものだった・・・ように記憶している。
「だったように」というのも、あまりに唐突な内容で、新年早々、突然カラスに頭を後ろから掴まれたようなものだったからだ。
「部長。申し訳ありません。突然なのですが、今日で会社、辞めさせてください。当たってしまったのです・・・。」
そうだ・・・。思い出した。
年末の部内での忘年会の席。
「年末ジャンボで、もし3億円が当たったら、どうするか」という、夢のような話題で盛り上がったのだが、真田ともう一人、紅一点の美人部下・広山の二人は、「すぐに会社を辞めます!!」と、力強く宣言していた。
もちろん「夢のような話題」であり、誰もが心の底から、「自分以外に3億円が当たるはずはないのだ」と、何の根拠もない確信をしていたはずだ。
その一方で、密かに「3億円は、自分のものだ!!」と信じて宝くじを購入している10人。
しかも、仮に「当たっていた」としても、他人には絶対に言わない。
世の中、そういうものなのだ。
が、「夢のような話題」が「正夢」になったからと言って、それで世の中「はい分かりました!!どうぞ辞めてくださいな。」ということにはならない。
真田の抜けた「穴」は大きい。
「俺が当たっていないのに、なぜ真田なのだ?」と面食らった自分は、「当たったって、宝くじじゃなく、自動車事故を起こしたとか、そういうことだろう??どこに当たったんだ??」と、現実逃避の「想像」をしてみたり、おっちょこちょいの真田のことだから、さらにはもっと最悪な事故に巻き込まれたはずに違いないだとか、自分にとって都合のよいように解釈しようとしていた。
「いえ、部長。真面目に宝くじ、3億円当たってしまったのです。本当に申し訳ありません!!」
3億円当たって「申し訳ない」と言われても、素直に「おめでとう!」と言うべきか、果たして何と答えてよいのやら・・・。
「分かった。とりあえず、3億円当たって辞めることは社長に相談せねばならないので、ちょっと待ってくれ。けどね、真田くん。確か3億円当たった場合、君、我々全員を最高級の旅に招待するという約束もしていたはずだったよね?」と、突然都合のよい記憶だけを甦らせた自分は、会社を辞める場合の「条件」を、「せこいな~」と実感しつつも真田に切り出した。
「大丈夫です。約束の件は、既に手配しています。急ですが、皆さんの都合さえよければ、2月末の週末、フランスの3つ星レストランに、皆さんとともに旅行できる手はずは整えてあります。飛行機もホテルも全部自分持ちです!!」
「そうか~。安心した~。2月末なら、大丈夫だ!!」
何を安心しているんだ!!と、思わず「本音」ともつかない言葉を真田に投げ返し、自分自身、整理がつかない頭の中で、ごちゃごちゃと考えている。
ふと、電話での会話を聞いていたであろう8人の方に目を向けた。
何だ~!!
目の錯覚か、はたまた全員が幸せな気持ちになっているのだろうか、8人全員、目は完璧に「ハートマーク」になっているではないか!!
・・・。
・・・。
部屋の中はまだ暗闇の中。
そうか。今日もまた寝付けなかったんだけど、「初夢」にしては、中々「楽しい夢」だった。
けど、「楽しい夢」が、現実のものになったらどうしよう。
意外と小心者である自分自身の深層心理が垣間見え、新年早々、冷え切った小樽のマンションで独り「苦笑い」を浮かべる自分がいたのであった。
※ 出演人物や設定はすべて架空であり、フィクションです。間違っても、「2月末のフランス、どこの店に行くの?」といったメールや電話は、しないようにお願いします(笑)。
「だったように」というのも、あまりに唐突な内容で、新年早々、突然カラスに頭を後ろから掴まれたようなものだったからだ。
「部長。申し訳ありません。突然なのですが、今日で会社、辞めさせてください。当たってしまったのです・・・。」
そうだ・・・。思い出した。
年末の部内での忘年会の席。
「年末ジャンボで、もし3億円が当たったら、どうするか」という、夢のような話題で盛り上がったのだが、真田ともう一人、紅一点の美人部下・広山の二人は、「すぐに会社を辞めます!!」と、力強く宣言していた。
もちろん「夢のような話題」であり、誰もが心の底から、「自分以外に3億円が当たるはずはないのだ」と、何の根拠もない確信をしていたはずだ。
その一方で、密かに「3億円は、自分のものだ!!」と信じて宝くじを購入している10人。
しかも、仮に「当たっていた」としても、他人には絶対に言わない。
世の中、そういうものなのだ。
が、「夢のような話題」が「正夢」になったからと言って、それで世の中「はい分かりました!!どうぞ辞めてくださいな。」ということにはならない。
真田の抜けた「穴」は大きい。
「俺が当たっていないのに、なぜ真田なのだ?」と面食らった自分は、「当たったって、宝くじじゃなく、自動車事故を起こしたとか、そういうことだろう??どこに当たったんだ??」と、現実逃避の「想像」をしてみたり、おっちょこちょいの真田のことだから、さらにはもっと最悪な事故に巻き込まれたはずに違いないだとか、自分にとって都合のよいように解釈しようとしていた。
「いえ、部長。真面目に宝くじ、3億円当たってしまったのです。本当に申し訳ありません!!」
3億円当たって「申し訳ない」と言われても、素直に「おめでとう!」と言うべきか、果たして何と答えてよいのやら・・・。
「分かった。とりあえず、3億円当たって辞めることは社長に相談せねばならないので、ちょっと待ってくれ。けどね、真田くん。確か3億円当たった場合、君、我々全員を最高級の旅に招待するという約束もしていたはずだったよね?」と、突然都合のよい記憶だけを甦らせた自分は、会社を辞める場合の「条件」を、「せこいな~」と実感しつつも真田に切り出した。
「大丈夫です。約束の件は、既に手配しています。急ですが、皆さんの都合さえよければ、2月末の週末、フランスの3つ星レストランに、皆さんとともに旅行できる手はずは整えてあります。飛行機もホテルも全部自分持ちです!!」
「そうか~。安心した~。2月末なら、大丈夫だ!!」
何を安心しているんだ!!と、思わず「本音」ともつかない言葉を真田に投げ返し、自分自身、整理がつかない頭の中で、ごちゃごちゃと考えている。
ふと、電話での会話を聞いていたであろう8人の方に目を向けた。
何だ~!!
目の錯覚か、はたまた全員が幸せな気持ちになっているのだろうか、8人全員、目は完璧に「ハートマーク」になっているではないか!!
・・・。
・・・。
部屋の中はまだ暗闇の中。
そうか。今日もまた寝付けなかったんだけど、「初夢」にしては、中々「楽しい夢」だった。
けど、「楽しい夢」が、現実のものになったらどうしよう。
意外と小心者である自分自身の深層心理が垣間見え、新年早々、冷え切った小樽のマンションで独り「苦笑い」を浮かべる自分がいたのであった。
※ 出演人物や設定はすべて架空であり、フィクションです。間違っても、「2月末のフランス、どこの店に行くの?」といったメールや電話は、しないようにお願いします(笑)。
Posted by Nowhereman at 18:54
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