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2010年04月29日

自己愛パーソナリティ障害

 「ワイン文化史研究」のカテゴリーの中には、「心理学」も含まれる(と自分は解釈)。
 だから、とてつもない幅広い学問分野を極める努力が常に必要となるのだ(笑)。

 今から15年前に購入した『あなたの身近な「困った人たち」の精神分析』(小此木啓吾・著。新潮社)を、書庫から引っ張り出して読んでいた。
 別に、身近にそういう人がいるからというわけではないので、誤解のないよう。

 「自己愛パーソナリティ」がさらに主観的となり、周りから「自分のことしか考えていない人として愛想を尽かされてしまう」段階を小此木先生は「自己愛パーソナリティ障害」と、本の中では解説されている。
 先生は、3つの「パーソナリティのミクロな狂い」を現象として挙げられている。以下、同書からの引用である。

1 人との共感性がない。
  つまり、人がどのように感じているか、どんなふうに悲しんでいるか、苦労しているかなどを共感して体験する能力に欠けている。人に待たされると怒るくせに、自分は人を待たせても平気でいる。

2 いつも自分が特別扱いされるのが当然と思い込んでいる。
  自分がほかの人から世話になったり、特別に扱われたりしても、それに対して本当の意味で感謝することがない。

3 自分の我欲の満足のために、人を利用したり、搾取したりすることを平気でする。
  人の権利はまったく無視してしまう。自分の業績を上げるためには、そのときだけ調子のよいことを言って、相手をおだてたり、気分をよくさせるのはとても巧みだ。

4 人に対する評価がころころ変わる。
  相手をとても美化して理想化したかと思うと、自分の気に入らないことがあると、全然だめだと評価する。その両極端の間を激しく行ったり来たりする傾向がある。

 なぜ15年前にこの本を購入したのだろうか。
 恐らく、その当時、自分の周りに自分としては「困った人」だと思う人間がいて、その人とどう付き合っていけばよいのか悩んでいたのかも知れない。ひょっとすると、自分自身が世の中における「困った人」だとの認識があったのかも知れないが・・・。

 世の中、100人いれば100人なりの考え方がある。
 だから世の中は、面白くもあるもの。

 「困った人」だ、と思ったとしても、どの程度に困るのかを客観的に「分析」してみることも大切であり、その「分析」に基づいた最も適切な対応方法を考えるということも、人間ならではの「知恵」というものなのだろう。
 「規範」が定まった社会で「社会人」として振る舞うためには、「規範」に示された「目的」や「目標」に対する価値観を「共有」するという根本意識が不可欠であり、そういうことを成立の前提とする「社会」において「自分のことしか考えていない」者が混濁してしまうと、「悪貨が良貨を駆逐する」現象を招くことは必定だろうと自分は考えている。

※ 「追記」文中、「世の中」>「社会」という意味での認知言語学上の「概念メタファー」として表現。

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Posted by Nowhereman at 14:44 │独り言

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